「アユタ、さっき、あいつに、何変なこと訊いてたの?」

「ん?ああ。水のこと?カマかけてた」

「カマ?」

「そう。『たくさんの人が、口にするものを汚染する』って言ったから、考えたんだ。

少人数で、バラまける。

ちまちまやってたんじゃ、その間に対策を立てられてしまうから、一気に大量の人に、いきわたらなくちゃいけない。

そしたら、水かなって」

「水!?」

「それでも世界中の人ってわけにはいかないけど、とりあえず、東京中の人には行き渡る…かなって」

「アユタ!かしこい!!」

「あいつも、しっかりカマかけに乗ってきたからね。

水、で間違いないと思う。

問題は、ようどうさくせんの方だ」