「どうするの?足音、こっちに来るけど」

「ええっ!!?」

本当に、その通りだった。

どうしよう。

ここには隠れる場所なんてない。

と、ベルベットの布に目が吸い寄せられた。

あの向こうは?

いや、向こうなんかないのかも。

けど、運が良ければ、モノ入れか何かがあるのを、ああして隠してるのかもしれない。

そうだ。

そういえば、この部屋は、ほかの部屋より奥行きがない。