フラン機の中の扉をおさえさされる。

その間に、中にあったものを次々に入れてしまう。

「よし、これでOK」

重くなったバケツを、一緒に持つ。

「これ、中に入れて」

水をぶちこんだ機械に収納する。

と、蓋を閉めて、ハンドルを閉めた。

かちっ。

とレバーを押す。

「これ、オートクレーブ、だったかな。

熱をかけて細菌を殺しちゃう機械。

これで、中身がどんな悪い菌だろうと、ひとたまりもない。

逃げよう。

もう、ここに、危険なものはないと思う。

その前に、一応手を洗って」

試験台にしつらえてある蛇口をひねって手を洗った。

その手が水浸しのまま、廊下へ出る。

と、

急に隣の扉が開いた。

階下へ下がると、思い切り、そこから出てきた人に見つかる位置関係だ。