かげろうの殺しかた

ぞっとした。


本物の天才というものを見た。


同時に、今の勝負には確かに意味があったのだと気づいた。

おつるぎ様と似ている。

それが事実ならば、蜃蛟の伝九郎もまた、この糸遊の秘剣の正体を一度見ただけで理解する可能性があった。

糸遊を使うならば、二度目はない。

一度で仕留めなければ。


隼人はそれを教えてくれたこの妹のような少女に礼を言って、やはり彼女の望むとおりに勝負を引き受けて良かったと思った。