かげろうの殺しかた

土手に傘をたたんで置いて、隼人は花菖蒲に囲まれた場所で一人黙々と秘剣の動きを練習した。

存在しない相手の姿を思い描いて、居合いのように小太刀を抜いて斬り上げ、再び鞘に戻してまた抜き、斬り上げる。

狙うならば、首筋。

相手が構えた刀を通り抜け、致命傷を与える。


空で鳴り響く雷神の太鼓と茶色く濁った濁流の音とを聞きながら、蜘蛛の糸のような雨を延々と斬り裂いて、


どれだけの時間没頭していたのか、


何気なく顔を上げて川のほうを見た隼人はぎょっとした。