かげろうの殺しかた

それほどに、

初めて誰かを心の底から憎いと思ったのだ。

他人などどうでも良いと思い続けていた隼人が、その蜃蛟の伝九郎という男がのうのうと生きて飯を食い、息を吸って吐いていることは我慢ならなかった。