秘密基地




「今度は何?」

さっきとは違う、大人な雰囲気の彼女が現れた。取引でもするみたいだ。

「あ、あのさエリーゼって呼びにくいから、エリって呼んでもいいかな」
「え?もう会わないかもしれないのに、何で名前呼ぶの?」

そんなの決まってるじゃないか。
でもなかなか言葉に出ない。
時間だけが過ぎていく。

「ちょっと……もう行きたいよ」
「だからっ!!」

俺は大きく、息を吸い込んだ。



「ここにいてもいいってゆー事だよ!」



そんなに大きな声で言ってないのに、俺は息がきれていた。