秘密基地




「いたいー……」

そこには、さっき追い出した彼女がいた。

「何でお前まだいんだよ」
「うわー、ハヤトが怒ってるよー」
「ちょっ…泣くなって」

そんな女子に泣かれるなんて慣れてない。しかも今日会ったばかりの人に。

「だってハヤト、怒ってるじゃんー」
「は?怒ってねーよ」
「嘘だー、もう基地にも入れてくれないくせに…あたしの事、すごくムカついてるくせに……」

意味が分からない。
何でそんなに泣くんだよ。

「本当怒ってねーから……」
「……本当?」
「ああ、本当だよ」

そう俺が言うと、満面の笑みを見せた。
ただ本当の事を言っただけなのに、そんな顔されると困る。