「そっ、か…よかったね…」



自分で言って馬鹿らしくなった。


だってあたしは心からそう言ってるなんて嘘ってわかってるんだから。


こんな想いをするのは初めてで、恋ってこんなに悲しいんだね。

改めてわかったの。




あなたの笑顔を照らす紅い夕陽は儚くて美しくて、それが無性に涙を誘った。


泣いてはいけない…笑わなきゃ……



最後まで強がりなあたしは可愛くなんかない。


自分でも呆れてしまうほど子供っぽくて幼稚なんだ。






――――けどね、幼稚なあたしだけどあなたに対する想いは変わらないんだよ。

飽きっぽいあたしがこんなに夢中になったのは初めてだった。




ねぇ、あなたが好きなショートヘアにしたくて長い髪をばっさり切った時もあった。

ねぇ、あなたが好きな歌を目一杯練習してカラオケでも振り向いてもらいたくて頑張ったんだよ。




それなに振り向いてもらえない……


悲しくて悲しくてあたしは一目散にその場から逃げた。