Magical☆Player

急に春の突風が吹いてきて、私の長い髪をなびかせた。
少しびっくりしてきゃっと短く叫んでしまったが、乙坂は微動だにしない。





「期待は」





髪が、なびく。

視線が、止まる。


まっすぐ、テニスコートに。





「期待は、誇りだ」





彼の綺麗な黒髪が少し揺れる。





「誇り・・・?」



「それを重圧だと思うやつはその器じゃねぇってことだ」



「器、じゃない・・・」



「違うか?」




まだ吹く風に、髪がなびく。

ただ、私は視線がそれた。