Magical☆Player

この階は、会議室など、事務的な教室が多そうな階だった。

重そうな扉を開いて、向田君は私達を招き入れた。


緑風学院生徒会室、とりあえず潜入。


・・・別に喧嘩する訳じゃないんだけどね。



「失礼します」

「おっ、来たー!」


入ってきた私達を見るなり、なにやらにぎやかな声。
その声の主は、黒く長い髪をかき上げながら足早に近づいてきたかと思うと、いきなり耳元で低い声で私に囁いた。



「お嬢さん、可愛いじゃない?んー、俺の推測からすると俺と同じ書記さん、とか?」

「・・・生徒会長の、華雛凛花です」



私が警戒した顔をしたのだろう、彼は弁解するように手を振った。
後ろでは菜々が露骨に不快な顔をしてこの様子を見ていた。



「あ、いやいや別に何かしようとしたわけではなくてですね・・・」

「そこの女好き、何してるのよー!」



少し奥に座っている女の子が怒った声を出した。



「悪い悪い、ちょっと魔が差してね」

「啓太っ私という彼女がいるのに目の前で信じられない!」



啓太と呼ばれた男の彼女らしい。
啓太はばつが悪そうに肩をすくめた。
彼女はと言えば、相当起こった形相をしていて、隅にいた向田君はくすくす笑っている。

彼女は、私達に向き合って言った。



「星華女子・・・の生徒会の皆さん?」

「えぇ」

「いきなりごめんなさい、よろしくね」

「いえ、こちらこそ」