その時、声がかかった。
「お嬢様、落とされましたよ」
え?
先程の執事らしき男が私に、見慣れた音楽プレーヤーを差し出している。
あっ・・・さっき急いで耳からイヤホン外して鞄に放り込んだから不安定に入ってて落ちたんだ・・・
「あ、ありがとうございます」
「いいえ」
執事らしき男が微笑む。
私も微笑もうとしたとき、フン、と鼻で笑う音がしたような・・・気がする。
「俺に見とれてるからそうなるんだよ、気をつけな」
な・・・
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、颯人様」
颯人と呼ばれた“ヤツ”は、もう私なんか目もくれずに、向かいのやけに大きい校門へ入っていった。
ぽかん、としている私の前を、執事は恭しく一礼して車に乗り込み、そのまま走り去った。
春の強風が、桜の花びらと共に私の眠気と思考までもさらっていった。
「お嬢様、落とされましたよ」
え?
先程の執事らしき男が私に、見慣れた音楽プレーヤーを差し出している。
あっ・・・さっき急いで耳からイヤホン外して鞄に放り込んだから不安定に入ってて落ちたんだ・・・
「あ、ありがとうございます」
「いいえ」
執事らしき男が微笑む。
私も微笑もうとしたとき、フン、と鼻で笑う音がしたような・・・気がする。
「俺に見とれてるからそうなるんだよ、気をつけな」
な・・・
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、颯人様」
颯人と呼ばれた“ヤツ”は、もう私なんか目もくれずに、向かいのやけに大きい校門へ入っていった。
ぽかん、としている私の前を、執事は恭しく一礼して車に乗り込み、そのまま走り去った。
春の強風が、桜の花びらと共に私の眠気と思考までもさらっていった。

