譜読み・・・基本中の基本だけど、まだ個人練習が足りていないのか、音楽から1人、2人と落ちていくのが指揮台から目に見えて分かった。



駄目だこれは・・・



「凜花~」



部員が一斉に移動し始めて、騒がしくなった音楽室の中で木管セクションリーダーの夏が声をかけてきた。



「何?」

「今もう17時だけど、生徒会室行かなくていいかな?」



私は時計を見る。