「てか菜々、今日予算のUSB回してくれる約束だったじゃん!」



夏がふくれっ面をする。



「夏に回すよりまどかに渡した方が早く仕事できると思ってね」



菜々が黒縁眼鏡をくいっと上にあげ、まどかをちらっと見る。
まどかは静かに微笑んでいるままだ。



「それどういうことー?」

「なっちゃんが仕事遅いってことだよ」



桃子がすかさずちゃちゃを入れた。
夏は少なからずショックだったらしい。



「まどかー(泣)」

「はいはい」



「ところで桃子」



夏の頭を軽くなでながら、まどかが真面目な顔になった。



「この前言ってた、季節限定のチョコレート・・・買ってきてくれた?」

「あーー、忘れるところだった!はいっ!」


「えーまどかずるいーいいなー」

「だから隣で大声を出すな」

「せっかく5人集まったんだからお菓子パーティーしようよー」