からっぽな街

「わかった!気を付けてよ!坂道だからね。」
「ありがと。じゃ、待っててね。」
ゆっくりと、転がり落ちないように、横向きにふんばって歩いた。
「ぽくー!もし、私に何か会ったら、大人の人に言うんだよー!トックとか、ゴリさんとか、ジュンギを呼んでおいで!」
「はーい!」
くしゃ。くしゃと、落ち葉の上を歩いた。まだ柔らかい土は、もろくて、滑りやすい。
あっという間に、帽子に辿り着き、青い帽子を掴んで振って、ぽくに見せる。
「わー!ゆん、ありがとう!」
ぽくは、喜んで拍手をする。
そうして、同じように横向きになって、斜面を登ろうとした瞬間、何かに躓いて、ひっくり帰った。
「ぎゃあっ!」
「ゆん、だいじょうぶ?」
上から、懐中電灯を照らしているぽくが、心配そうに覗き込む。
「平気平気!」
手と膝、服に付いた土を払い、立ち上がる。痛いいったい、何に躓いたというのだ。
さっきの場所に戻り、土で盛り上がった部分を足で蹴って、土を削る。