からっぽな街

「ぽく、起きよう!もうすぐ、点火式始まるよ。」
すっかり私の膝の上を枕にして、眠っているぽくの体を優しく撫でた。
「んんっ。」
沢遊びで疲れきってしまったようだ。
「あー。また、寝ちゃった。」
ニケが、言う。
「ほら!ぽく!起きろー!」
わざと大きな声に抑揚をつけて、ふざけながらきらりが言う。
「うるさい!」
リッツガ、きらりを制す。
「うぅぅんん。」
目を擦りながら、薄く目を開けたぽく。
「あ。起きた。おはよう。」
目をぱちぱちとさせながら、むくりと起き上がる。自分の膝の上が、ぽくの体温で温かくなっていることがわかった。
「ん?」
「もうすぐ、キャンプファイヤーが始まるんだよ。」
「ん?」
「キャンプファイヤー。ほら、今朝言ってたじゃん。火の周りで歌ったり、出し物したりするやつ。」
「ん~。」
大きくあくびをすると、まだ、起きていない頭を、ぽりぽり掻いた。点火式まで、もう少し時間があるので、周りは、ぎりぎりまで出し物の練習をしている班や、おしゃべりをしているところがある。
「トイレ…。」
独り言のように、目と口を、むにゃむにゃとさせながら、ぽくが言う。
「ええー。」
リッツが、嫌な顔をする。