からっぽな街

「よし。約束だな。」
「うん。ううぅううぅ。」
よほど、恐かったのだろう。そうして、心配してくれていることが、余程、嬉しかったのだろう。
「よし、じゃあ、みんなに心配かけたこと謝って、準備体操しような。」
「うん。ううぅううぅ。」
ゴリさんが、泣いているきらりの肩を抱きながら、みんなの前に戻ってきた。
「ほら。言えるか?」
「うん。っ、うっく。うっく。あ、あの。
うっく。うっく。め、迷惑かけて、ごめんなさい。うっくうっく。」
 びしょびしょと、涙と鼻水を垂らしながら、顔の涙を拭いながら、きらりは、みんなに謝った。
 つられて、泣いている子どももいた。
 「いいから。泣くな!早くこっち来い!準備体操やろ!」
 そう言ったのは、リッツだった。
 「だいじょうぶだよー。」
「だいじょうぶだよ。」
子ども達は、次々に、きらりを励ました。
ゴリさんに背中を押してもらって、私のところへやって来たきらり。
「だいじょうぶ?びっくりしたね。」
背中を摩ると、さらに泣き出したので、少し、みんなから離して泣かせてやった。