からっぽな街

「は、はい。」
振るえながら、涙を大きく目の上に盛り上げて、きらりは答える。
少し、ためてから、ゴリさんは、きらりに、諭すように語り掛ける。
「俺はね、心配なんだよ。今日は、川の水が冷たいんだ。きらりがね、行き成り川に飛び込んで、心臓麻痺で倒れたら、どうする?きらりが、石で頭を打って、怪我でもしたら、どうする?」
こくり、こくり、と、頷きながら、きらりは、もう、泣き出している。
「俺はね、きらりが、嫌いだから怒鳴るんじゃないよ。心配だから、怒ってるんだよ。楽しく遊んでほしいから、怒ってるんだ。わかってくれるか?」
「うぅ。ううぅ。」
きらりは、声を出して、泣き始めた。きらりが、とても、哀れに思えてきた。
「きらり、もう、きちんと人の話、聞けるか?」
「ううぅううぅ。うん。」
鼻水を垂らしながら、返事をした。