からっぽな街

「ごめんなさい。」
きらりは、下を向いて、謝る。目には涙が盛り上がっていて、今にも、泣き出しそうだ。
ゴリさんは、どしんどしんと大きな体で、どんどん、きらりに近寄って行く。それを見ている子どもも大人も、ゴリさんの行動と怒鳴り声に息を呑む。
「きらり!」
がしり。と、きらりの震える肩を持つ。
びくんと、大きく驚き、固まってしまうきらり。
ゴリさんの、太ったというよりも、筋肉質な腕の中の、小学生の細い肩は、とても頼り無く見えた。
私と手を繋いでいたぽくが、怯えるようにぎゅっと握り締める。
川原で、ゴリさんに腕を抱かれ、固まってしまっている、細っこいきらり。そうか、まだ、ほんの子どもなのか。と、改めて気が付く。
「きらり!」
暴力的に、ゴリさんは言う。