からっぽな街

キャンプ場の山道を下ると、突き当りに、ガードレールがあった。既に、大きな川の流れる音がしており、ガードレールの五メートルくらい下には、勢い良く流れる透明な川があった。
「わあー!川だー!水きれー!」
「この川、来るときに見たよね。」
「俺、この川覚えてるー!バスの中から見た!」
明るく話す子ども達の声に、笑顔になる。
だらだらと並んで川沿いを歩いているのだが、男の子の中には、既に水着で、タオルを首に結んでスーパーマンのようにしている子も居る。
川遊びの場所は、川沿いを、十五分ほど歩いたところにあった。
「うひょー!川だー!」
きらりは、興奮気味に叫ぶ。
「見ればわかるったら!」
リッツが、それに、つっこむ。
「浅くない?」
「溺れない様にって、ことなのかね?」
ニケとちゃちゃは、川の側の石の上を注意深く歩きながら言った。