からっぽな街

きらりは、昨日の夜の出来事を思い出し、悪いことをしたと思ったのか、ようやく、謝った。
「ごめんね。俺、もう食べないからー。」
「ふん!」
ぷいっと、横を向いてしまうリッツ。
「おでも、苺見たい。」
親子丼をスプーンですくって、口に運びながら、ぽくが言った。
「ぽくは、いいよ。」
リッツは、ぽくに、にかっと笑う。
「やったー。」
ぽくは、両手をあげて喜ぶ。
「はあー。俺も見たいー。」
「だめ。」
まだ、断られる。
「ふーんだ。もう、いいもん。苺なんて、スーパーで見れるしいらねー!」
「ああ!食べる気だったんじゃん!」
きらりは、しまった。という顔をしながら、親子丼を口に、かき込んだ。