からっぽな街

勝手に食べた飴というのは、昨日の夜、ナイトハイクをした時に、おやつとして、もらった1人一個の飴のこと。
出発するときに、配られて、星空の下を、飴を舐めながら歩くことになっていた。
「おで、この飴嫌い。いらない。」
配られた飴が、べっこう飴で、ぽくは、それを誰かにあげると言っていた。
「俺、食いたい俺食いたい!」
「私もー!」
とみんなが言ったので、直ぐに、じゃんけんをしたかったのだけれど、もう、出発していて、歩き始めていたので、後でにすることにした。
「じゃあ、この飴、あとでみんなでじゃんけんしようね。」
「いえーい!」
全員が、賛成した。
「じゃあ、俺、班長だから、持ってる!」
「はいはい。じゃあ、よろしくね。」
きらりに飴を渡した。
「絶対に、食べないでよね。」
リッツが、釘を刺したのだけれど、四十分のナイトハイクを終えて、小屋に帰ったときには、きらりの腹の中だった。
これには、リッツだけでなく、ちゃちゃとニケも怒っていた。