からっぽな街

「どうしたの?」
「班の子どもたちの顔を見に来たの。」
「誰?」
「えっと、きらりと、ぽく。」
「ああ。きらりなら、もう、外で遊んでるよ。ほら、あそこ。」
指差された外を見ると、男の子たちとおいかけっこをしているきらりが見えた。
「あ。ほんとだ。」
「あいつ、元気だねー。昨日の夜も、ちっとも寝付かなかったんだぜ。」
「やっぱり。」
がっくりと、わざと大げさに、頭を傾ける。
「えーっと、ぽくは?」
「ぽく?知らないなあ。」
「坊主でさ、ちっさい男の子。」
「うーん。わかんない。」
山中は、両手をあげて、頭を傾けた。
「ねえ、ゴリさん、こっちー。」
子どもに、腕をひっぱられ、連れて行かれる人気者のゴリさん。
「じゃ、あとで。午後から川だから、荷物作っておいた方がいいよ。」
「りょーかい。」
荷物がごじゃごじゃと散らばった中、ぽくを探した。