からっぽな街

「どこに荷物置けばいいの?」
子ども達は、不安そうに聞いてくる。
「荷物は、取り合えず端に寄せてー!」
と、大きな声で、誰かが言った。それに従って、子どもに、端に荷物を置くように指図する。
小屋の中は、三十人くらいが寝袋をひいて眠れるくらいの大きさで、窓は無く、細長い長方形になっている。前と後ろにドアが無いので、ただ屋根があるだけの、とんねるみたいな丸太小屋になっていた。靴を脱いで上がると、柔道部の部室みたいな畳マットがひかれていた。
「あー。疲れたー。」
どすん。と、大きな音を立てて、リュックサックを下ろした。子ども達は、すっかり疲れきって、荷物を下ろすと同時に、畳の上に、倒れ込むように寝転んでいる。
「ね。ね。筆記用具持って、お外に行かなきゃ。」
「えー。やだー。」
おおっ。子どもらしい反応に怯む。