からっぽな街

「ゆん、あれだよ。あそこが、キャンプ場!」
私の右腕を、興奮気味に叩きながら、キャンプ場を指差して、しのぶが言った。指差す先を見ると、斜面の木を全部抜き取った場所に、四つくらいの小屋が建つキャンプ場が見えた。斜面の頂上にある小屋は、厨房になっているのか、三角巾をして動き回っている人と、大きな鍋から湯気が立ち昇っている。
「ええ。ああ。あれね。すごーい。」
「ほら、見て!みんな、手振ってるよ。」
視線を少し右にそらすと、私たちが泊まることとなっている小屋の側には、既に到着している名古屋と長野組が、身軽そうにこちらへ手を振っていた。