からっぽな街

「じゃあ、せーので、立とうね。せーの。」
ぐっと、リュックサックを上に持ち上げる。
「きゃー。重いー!何が入ってるの?」
「んとね、お米とか。すっごく重いー。」
苦しそうな顔をして、帽子の中に、たくさん汗をかいて、頑張って歩いている。
この小さな体の、細っこい肩に食い込むリュックのベルト。後ろにひっくり返りそうにながらも、坂道を精一杯の歩く姿に、何故だか感動した。
長野県の山奥の、いくつも山があるうちの小さな山を開拓したような所がキャンプ場だと、小学六年生のきびきびとした女の子である、しのぶが言っていた。彼女は、二回目の参加だという。
「うーん。重いよう。ねえ、あと、どれくらい?」
「ほら、もう少し。」
山と畑、花畑の間にあるのどかな一本道を、大人と子どもが大荷物を背負って、だらだらと歩いていた。 
先を見ると、テツを見つけた。小さな男の子の荷物を持ってあげていた。山中さんは、苦しそうにあるく低学年の女の子のリュックサックを後ろから持ち上げてあげていた。女の子は、すごく楽しそうで、山中さんによく懐いているように見えた。あ。ここでは、『ゴリさん』だったのだった。