からっぽな街

簡単なミーティングが始まると、説明する側に、トックを見つける。ホチキス留めされた分厚いプリントを難しい顔をして、見ていた。何故だか、知っている顔があると、ほっとした。
午前七時になったところで、子どもの受付が始まった。名簿係、受付係、案内係、荷物係、目印のカードを持つ係など、役割分担されて、持ち場に着いた。
四日間を共に過ごすキャンプリーダーたちは、わかっているのは、名札に書かれてあるキャンプネームだけで、年齢も、出身地も、身分も、何もわからなかった。おまけに、敬語が使えないので、誰が年上で、誰がえらいとか、そういうものが、一切関係なかった。
そういう社会の縛りから解放されるので、居心地が良かった。なんだか、新しく別の人格になれる気がした。事実、私は、馬鹿明るかった。誰にでも話しかけて、すぐに打ち解けたし、よく笑ったし、よく冗談を言った。