からっぽな街

私だったら、こうする。こうしたら、この店の売上げは、30%は上がるだろう。というように。
ショップ店員の仕事は、気に入っていた。大好きな洋服に囲まれて、毎日とびきりオシャレな格好をすること。自分の店に洋服を選びにくる女の子たちに、アドバイスをしながら勧めたり、話すこと。似合いの洋服を見つけた女の子が、レジでお金を払うときの嬉しそうな笑顔を見ること。
街で、自分の店のブランドの洋服を着た女の子を見たとき。もう、快感だった。このショップかわいいよね。なんて、噂を耳にするだけで、天にも昇る気持ちになった。
恐らく、閉店しなければ、続けていたと思う。それくらい好きだった。
「ねえ。ユウ、これ、どう思う?」
ハナの声から、姿を探す。鏡の前で、ワンピースを体に当てて、こっちを見ていた。