からっぽな街

けれども、少しも不思議ではない。他に誰もいないのであるから、それが、異常であることに気がつかない。比較するものが、ないからだ。その世界しか、知っていないからだ。 
私は、目の前に起こっていることをそのまま受けるだけであって、静寂の街並みの空間に、ただ、生きている