「もしもし?仕事終わったけど?」
『あぁ。今からむかえに行くから。』
会話時間15秒。

迎えにきたのは黒塗りの車。
それだけでも身分の違いを実感する。
車に乗って続く沈黙。
着いたのは高級マンション。
上野さんは相変わらず無言で最上階のボタンを押す。
エレベーターにのっている間も沈黙は続く。
部屋に入っても沈黙は続き、私は沈黙に耐えられず、口を開いた。

「呼んでおいてなんですか?」
「特になにも?」
「じゃあ帰りますね?時間の無駄なので。」
「じゃあっーーー!!!!」

上野さんは私を引っ張りベットに倒れた。
「疲れたから、一緒に寝て?」
なにをやられるのかと思ってドキドキしている心臓はおさまってきた。
隣で無防備に寝る上野さん。




近づいてはいけない。
きっと、彼を傷付ける。