「聞きたいことがあるんだけど....いい?」
急に真剣な顔で言ってきた桜チャンの言葉で私達の周りの空気が変わった気がした。
「いいけど。.....なに?」
私はそう言って首を傾げる。


少しためらいながらも桜チャンは口を開いた。
「瑠璃ちゃんはさ、鈴か彰平君かどっちか好きなの?」
この質問に私は驚いた。
そんなこと意識したこともなかったから。

だって、いつも一緒にいてくれる。
それが普通だとおもっていた。
それは.......変なのかな?
2人ともいい人だから、そんな2人に甘えてしまってるのかな?

そんな不安定な気持ちの私は
「分からない。急にそんなこと聞かれても...。」
桜チャンにそう答えた。

「言わせてもらうけど、」
そう言ってから桜チャンは一呼吸休んでから言葉を続けた。
「瑠璃ちゃんはさ.....私に本音を言ったこと、一回でもある?
 いつも、”分かんない、分かんない”って言ってるけどさ、私には瑠璃チャンのことのほうが分からないよ?
 本当は、記憶喪失とか嘘じゃないの?」
桜チャンにそう言われた。

この時思った。
桜チャンは好きな人がいるんだなって。
一生懸命、恋をしてるんだなって。
一生懸命すぎて、今は周りが見えてないんだって。

私は思い切って聞いた。
「桜チャンは鈴君か彰平君が好きなんでしょ?」
問いかけた瞬間桜チャンは笑った。
でもすぐに真顔になって私に聞き返した。
「何それ?」って。