「桜、ゴメン。距離を置こう。」

『なんでっ?一生守ってくれるて言ってくれたじゃん?!
 約束破るの?』

そう言って目の前で涙を流す桜。

「違う。あの時はこんなことになるとは思わなかったんだ。
 俺、ちょっと考えたいんだ。」

『また瑠璃ちゃんでしょ?いつもあの子ばっかり。
 鈴は私の事を、私だけを見てくれた時一回でもあった?
 なかったでしょ?
 私はこんなに鈴のことしか考えてないのに。』

目から流れる涙を拭くことなく桜は続ける。

『事故のときも瑠璃ちゃんしか見てなかった。
 瑠璃ちゃんなんて...助けなかったら良かったのに。
 瑠璃ちゃんなんて、死んじゃえば良かったのにっ!!!!!!』

桜の怒りの声に驚いたが、その前に桜に対する怒りが芽生えた。

「桜っ!!!!!
 いくらなんでも言い過ぎだ。やっぱり距離を置こう。
 今の桜と俺じゃやっていけないと思う。無理だ。」

俺は桜を置いて歩いていった。




俺の後ろで叫ぶ桜を無視して。
後ろでは桜の泣く声が聞こえた。










自分の感情のままに進んでいった。
花のつぼみはもうすぐ春を迎えようとしていた。