「っ、痛い。。。 ここどこ?」


目が覚めると私は真っ白な部屋の中にいた。

私の体にはたくさんの管や包帯が巻かれていた。
何かあったような気がしても、思い出そうとすると胸が締め付けられる感じがした。


真っ白なこの部屋は居心地が悪くて、どこかに行きたくて、廊下に出た。
たくさんの部屋があって迷路みたいだった。


ふと、足を止めた先には”集中治療室”と書かれていた。
名前をみると『藤本 鈴』と書いてある。

どこかで見覚えのある この名前を見たとたん、胸が鳴って、苦しくて、でも嬉しくて。
ものすごく不思議な気持ちになった。


勇気を持ってドアに手をかける。


中には1人の男の子が眠っていた。
髪はきれいな茶色で、長いまつげ。

見れば見るほど なんだか緊張して、ここから出たいと思うのに、その反面で少しでも長い間見ていたいと思ってしまう自分がいる。


でも 自分は、すごく悪いことをしているような罪悪感に包まれた。
私の目からはなぜか、
       涙が出た。