「海だよーーー!!」


車からの海の景色。

家から車で3時間ほどにある、海のすぐ近くの旅館。

普段、海なんて見れないあたしたちはテンションが最高に高かった。


「海行こーっ!」


部屋に荷物を投げ捨て、飛び出した。

真夏ということもあって、海日和の今日は人が多かった。


「…なんで俺も…?

俺、入らないよ。」


無理矢理連れてきたせいで、康は機嫌が悪かった。


「入らないのっ!?」


「水着なんか持ってきてないし…。

入る気なかったし。」


「ごちゃごちゃ言ってないで。

早くっ!」


あたしは康を海に引きずりこんだ。