あたしは不安になって、美波の言葉を待っていると、美波が言った。


「違う、違う!

ことと康くんらしいな。って思ったの。

あんまりお互いを求めないとこ。

今の高校生にはいないよ!」


「そう?

求めないっていうか…、これが自然っていうか…。」


「それがいいって言ってるの!

ほんと、純粋なカップルだね。」


美波はあたしに向かって笑顔で言った。


―――――


「夏だよーっ!

夏休みだよーっ!

ねっ!?

どこ行く、どこ行く?」


部活の時間、美波は休憩時間になって、さっきから嬉しそうに連呼している。


「夏休みは部活三昧ですよ、美波さん。

それに、夏も夏休みもまだ先です。」