あたしの言葉に康が小さく微笑んだ。 「そっか。楽しみだな。 今年の正月以来、会ってないし。」 康は一人っ子だから、夏姉は康にとってもお姉ちゃんみたいな存在。 「あたしもっ! 早く会いたいっ!」 あと1ヶ月で夏休み。 この時は、今後のことなんて知るわけがなかった。 高校生活の最後に待ち受けることなんて、何も気にせず笑っていた。