―――次の日

土曜日、午前中の部活から帰って来て、あたしは服を買いに来ていた。

もちろん、いつもの坂道の下の服屋さんに。


「こと、いつも選ぶの時間かかるから、お母さんは行かないよ。」


いつものお母さんのセリフ。

あたしにお金を渡していってらっしゃい、と言う。



お店には、夏仕様の服がずらりと並んでいた。


何度も何度もお店の中を回って見る。

服を合わせては戻し、気に入ったものはカゴに入れ、

それを繰り返していたら、早2時間。


あたしは少し焦ってレジへと向かった。


「ありがとうございましたー!」


店員さんの声を聞いて外へ出る。