それから時は過ぎ……。
花火大会前日の金曜日。
毎日のように、真弓に“ホントにいいの?”って聞かれたけど、誘わなかった。
そして1週間須藤にも会わなかった。
「はぁ……」
ベランダから夜空を眺めて、1つため息をつく。
須藤だって……夏休みだし。
友達と遊んでるんだろうな。
女の子とも……。
って何考えてるんだろう。
ボーっとして、あたしは膝に顔を埋めた。
すると、ベッドに置いてあった携帯が鳴り出す。
♪♪~
その音に気づいて立ち上がって携帯を拾うと、あたしは携帯を開く。
画面に映る“着信”の文字と“須藤零”の名前を見てあたしは目を見開いた。
……嘘。
びっくりして固まってしまう。
でも鳴り止まない着信音に我に返ると、あたしは通話ボタンを押して耳に当てた。
「……はい」
『お前出るの遅ぇよ』
1週間ぶりの須藤の声……。
声を聞いただけで、手が震える。
顔が見える訳でも、近くにいる訳でもないのに。
緊張して、ドキドキして……。
「ごめん……何?」
平然を装って聞いてみると、不機嫌そうな声が聞こえてくる。
『お前明日何の日か覚えてる?』
明日……?
覚えてるよ……。
「花火大会でしょ?」
忘れる訳ないじゃん。
須藤と……行きたいとか、思っちゃってたんだから。
すると須藤はため息をついて、言った。

