ボソッと呟くと、須藤は眉をしかめた。
「何できーちゃんが謝んの?」
「え?……まぁ、そうなんだけど」
でも、何となく謝りたくなった。
あの場にあたしもいた訳だし。
俯いていると、須藤がゆっくりとあたしの頬に手を伸ばす。
それに気づいて顔を上げると、須藤がニヤッと笑った。
「謝るんならさ?……きーちゃん、キスしてよ?俺の大好きな唇で」
あたしは整った顔が接近してきた事に、恥ずかしさを感じて体中が熱くなってきた。
「ばっかじゃなっ……」
顔を背けて逃げようとした途端、須藤が無理矢理あごを持ち上げて唇を奪ってくる。
「んっ……」
……!!
舌!舌が入ってきた!!!
驚いてグッと胸を押すけど、力が入らない。
こいつ……。
キス上手すぎ……。
ガクンと力が抜けて、あたしは須藤の胸にしがみつく。
すると須藤は唇を離してあたしの顔を見つめてきた。
意地悪な笑みを浮かべながらあたしの耳元に顔を近づける。
「もう……降参?」
耳元で囁かれて、頭がボーっとする。
恥ずかしさと緊張のせいで、頭が麻痺してしまった。
「う~うっさぃ……」
強気な言葉を吐いてみるけど、体はいう事を聞かなくて、言葉とは裏腹に須藤にすがりついてしまう。
すると須藤はフッと笑って、あたしの腕を掴んだ。
「んー、きーちゃんとキスしたおかげで機嫌直った♪」
何て言ってゆっくりと歩き出す。

