馬鹿野郎……。
あんな奴人間のクズだ。
全部あたしが悪いのかよ。
浮気する方が悪いのに、された方が悪い。みたいな空気になってんじゃん。
あんな言い訳、あたしが悪いって言ってるようにしか聞こえない。
性格がきついとか。
口が悪いとか。
全然女らしくないとか。
そういうの全部分かってくれるから付き合ったのに。
それが堪えられなかったとか……。
そんなの酷過ぎじゃん。
「馬鹿野郎ー!!」
あたしは人の視線も場所も考えずに叫んだ。
馬鹿馬鹿馬鹿!!
大馬鹿者!
涙を目に溜めながら上を見上げた。
くそぉ……。
何でこんなに天気いいんだよぉ。
あたしの気持ちは大雨だっつぅの!!
そう思った時だった……。
「っな!?」
あたしは目の前に映った光景にあたしは目を見開いた。
目の前にはあたしの母校。
その高校の自転車置き場に、2人の男女。
その男女の格好に言葉を失った。
胸元が大きく開き、乱れた格好の女子高生。
そしてそんな女子高生を抱きしめる男子高生。
……信じらんない。
場所を考えろよ。
そう思った時。
男と目が合ってしまった。
目に涙が溜まっていたあたしは、慌てて視線を逸らして駆け足でその場を去った。

