あたしはそんな思いを込めて、キッと零を睨みつけた。
すると零は両手を壁についたまま、あたしにスッと顔を近づけると小さく呟いた。
「……ねぇ?知ってる?」
「へ?」
キョトンとしていると、零はあたしの髪を指に絡ませながら続ける。
「そうやって反抗されればされるほど……苛めたくなるの」
そう言ってキョトンとしたままのあたしの唇に噛みつくようなキスを一瞬すると、ニッとあたしの瞳を見つめて微笑んだ。
「拒まれば拒まれるほど、もっとしたくなる」
零はそう言いながらあたしの瞳を貫くような強い瞳で見つめる。
「そうやって可愛い顔するから苛めたくなんだよ」
「こ……」
この……。
どS野郎うううぅ!!!
あたしが嫌がるともっと苛めたくなる!?
あたしが拒むともっとしたくなる!?
こいつは正真正銘のSだ!
あまりの事に言葉が出ないでいると、零はあたしの腰に腕を回しながら微笑んだ。
「だからね?俺にはきーちゃんがもっとしてほしいって言ってるようにしか見えないんだよ」
その言葉にあたしは零を睨む。
すると零はニッと微笑んだ。
「またそんな目で俺を見る……」
そんな目ってどんな目だよ!!
と、ツッコんでやりたかったけど、そんな隙はなかった。
ゆっくりと零はあたしを抱き寄せる。
ギュッと抱きしめられて、ふんわり香る零の香りに自然と心が落ち着いてあたしは零の背中に手を回す。
……と。
む?
少し感じる胸元のぬくもりに目を向けると、零の手が目に止まった。
「な、何してんのよ!」
あたしは一気に顔に熱を集中させながら慌てて零から逃れようとする。

