そしてまた意地悪な笑みを浮かべた。


「さぁ?誰?」


こいつっ……。
とぼけやがって……。
あんた以外に、誰がいるっていうのよ!


再び睨むと、余裕の笑みを浮かべてあたしの鎖骨にキスを落とした。


「っひゃ……」


思わず声が出てしまうと、須藤はニコッと笑った。
そしてゆっくりとあたしに馬乗りになる。
驚きに目を見開いていると、須藤の綺麗な瞳があたしを見下ろす。


「言ってみろよ?……誰のせい?」


こいつ……。ホントにドS。
知ってるくせに、そうやってまた意地悪する。
なのに。
意地悪されてるのに……。
嫌じゃないんだ。
嫌じゃない……そんな自分が悔しい。


「意地悪……」


布団で顔を隠して、あたしは睨んだ。
すると須藤は、あたしに顔をグッと近づけ、あたしの両手を片手で掴んでベッドに押し付けた。


「何、聞こえなーい。言わないと襲うよ?」


そう言うと、須藤のもう片方の手が服の中に潜り込んで、お腹を撫でた。
ギョッとして須藤を見ると、その目は真剣そのものであたしは体中の血の気が引いていく気がした。


須藤……。
本気だ。
目が本気だ……。


「ちょっ、待って!」


あたしは慌てて須藤の顔を手で押しのけて、起き上がった。
手を須藤の顔から離すと、とびっきり不機嫌な表情があたしを睨む。
その顔を見て、あたしは須藤から視線を外した。


「ほ、ほら!昨日須藤の誕生日だったけど、あたし知らなかったからさ?プレゼント買ってないじゃん!今から買って来ようよ!」


慌てて話題を変えると、あたしは遠慮がちにゆっくりと須藤に視線を戻した。