はい!?あたしだけ?
いやいや……。
家族の中であたしだけいたら、おかしいでしょ!
てか、気まず過ぎる!!
ギョッとしていると、櫂さんは笑った。
「おれの彼女として紹介するけどいいんだ?」
あわわわ!
それはあたしも困る!
須藤、何とかしてよー!
助けを求めて須藤に視線を向けると、須藤は大きなため息をついた。
「……分かったよ」
そう渋々頷くと、あたしに近づいてきてあたしの腕を掴んで引っ張った。
「あ……」
そして櫂さんを睨む。
「行ってやるから、聖菜離して」
「はいはーい」
がっちり掴まえられていたあたしは、あっさり解放されて須藤に引き寄せられる。
そして自分の胸にあたしを寄せると低い声で言い放った。
「次やったら、……マジ殺す」
その言葉を聞いても、まったく悪びれる様子もなく、櫂さんは目を閉じた。
「おぉ、怖。おれの弟ながら怖いわ」
そう言って櫂さんは再び微笑んだ。
そして歩き出す。
「じゃぁ、行きますか」
スキップ気味に歩く櫂さんの後を嫌そうについていく須藤の後をあたしもついていく。
そしてすぐ近くに止まっていた櫂さんの後部座席に乗り込む。
車が動き出すと、不機嫌で黙り込んでいた須藤が口を開いた。
「お前……櫂に抱き締められてんじゃねぇよ」
「あれは……突然の事で驚いちゃって、抵抗できなかっただけよ」
怒っている須藤を見て、あたしは戸惑いながら答える。
てか、あたしにとってはそんな事どうでもよかった。
あたしにとって大事なのは……須藤の誕生日を知らなかった事。

