「ちょっと!勝手に入らないでよ!」
慌ててあたしも部屋の中に入っていくと、須藤は我が物顔で腕を組み、壁に寄りかかっている。
その姿を見てあたしはキッと須藤を睨む。
すると須藤はフッと微笑んで口を開く。
「きーちゃん約束覚えてる?」
「は?」
……約束?
そんなの……したっけ?
首を傾げてキョトンとする。
と、それと同時にあたしの頭の中でリピートする須藤の言葉。
“夜……覚悟しとけよ”
思い出してあたしの顔はボッと熱を帯びて赤くなる。
するとあたしの変化に須藤は目を細めて微笑んだ。
「あ?覚えててくれてた?」
「っ!」
「それとも、楽しみにしてくれてた?」
!!?
「そんな訳!ないでしょ!」
否定するけど、その言葉にみるみる顔が赤くなっていく。
するとそんなあたしを見て須藤は目を細めて近づいてくる。
「な、何?」
ゆっくり何も言わずに近づいてくる須藤に不安を感じて、あたしは須藤を見上げる。
でも、須藤は何も答えずあたしの腕を掴んだ。
そして引っ張ると、あたしをベッドに押し倒す。
え!?
驚いて目を見開くと、今自分の置かれている状況にハッとしたあたしは慌てて起き上がる。
「悪い冗談、やめてよ」
あたしは、あはは……と引きつった笑顔を見せて須藤に言う。
でもそんなあたしの胸の中の心臓はこれ以上ないくらいに暴れている。
やばい。やばいよ。
大ピンチ!!

