「日に日に人、増えてませんか?」
「さぁな・・・・見てないからわかんね」
「ほんっと見ませんよね。何でですか?
俺だったらサービスしまくりますよ」
「俺とお前じゃ性格から違う。
俺はそんなキャラじゃない」
「なるほど」
壁に掛かってる時計を見上げると、
まだ練習開始まで少し時間がある。
眠そうにあくびをしながら、
ひそかに群がる人を見る。
マジで多い・・・・・・
「なぁ、何で朝練にこんなに人来んの?」
「・・・・・・イヤミですか」
「ちげぇよ! なにも、
朝から来るとかおかしくねぇか?」
眉をゆがめながらそう言った俺に、
なぜかきょとんとする谷。
・・・・・なんだその顔。
「決まってるじゃないすか!
朝練のが先輩の部活姿を見れるからでしょ」
「はぁ?」
「放課後は面被って顔なんか
ほとんどわかんねぇけど、
朝練だったら面被んないでしょ。
だから朝練は部活してて、
その上お顔も見れるというステキな時間なんすよ」

