ミックスラブルス

俺が好きな人の名前を答えた瞬間、明るい夕日の光が二人を照らした。質問の答えを聞いてびっくりした表情をした後にうつむいてちょっとの間黙った後、答えに対して明西さんがうつむきながら聞き返してきた質問に対して正直な気持ちで答えた。

「そ、そうなんだ。やっぱり好きな人いたんだ」

「うん」

「だけど・・・だけど私は、高畑くんのことが・・・好きなの」

「え・・・」

「私は高畑くんことが好きなの」

ちょうど俺たちが観覧車の一番高いところに到着した瞬間目を閉じたくなるほどの明るい夕日の中、俺は明西さんに告白された。その時の明西さんはうつむいたまま少し震えながらも大きな声で言ってきた。まさか明西さんに告白されるとは夢にも思っていなかったからびっくりしすぎて声を出すことすらできなかった。何もいわなかったからか今度は顔を上げて俺の目を見ながら今度ははっきりと投げかけるように告白してきた。これまでに見たことのない明西さんの恥ずかしそうな表情から冗談ではないことを確信できた。

「ありがとう。だけど俺は今の明西さんと同じくらい花原さんを諦めたくないん」

「私も諦めたくない、だから」

告白の答えを言っていたら次の瞬間、俺の言葉を遮りながら明西さんは絶対離れないと言っているかのように俺を抱きしめて涙を流しながら頬にキスをしてきた。その瞬間俺は時が止まって初めてされたキスから明西さんの気持ちが心にしみこんでくるような感覚に陥っていた。再び声を出すことすら出なくなってしまってそのままの状態で少しの間お互いまったく動かなかった。そしてもうそろそろ観覧車が一周するころになった時に明西さんは俺からゆっくり離れて元の位置に戻ると涙を手で拭った後に切なげな笑顔で話し始めた。

「高畑くんが花原さんが好きなのは分かったよ。だけど私も高畑くんのことが好きだから返事はまた今度聞かせて」

「うん、分かった」

そう答えた瞬間係りの人がドアを開けてくれて俺たちは外に出た。少し観覧車から離れてから少し前を歩いていた明西さんは振り返って笑顔を見せてくれた。

「今日はありがとう。それじゃあまた学校で」

「また学校で」