ミックスラブルス

水村がそう言いながらびっくりしているのを無視しながら俺はゲーム先取を決めた嬉しさでガッツポーズをしながら大声で叫んでいた。

「よし、この調子で慎重に攻めていけばこの試合勝てる」

俺はそう呟きながらコートチェンジをした。そしてその後も試合は激しさを増していき、終盤ゲームカウントは6対6のタイブレークになった。タイブレークはお互いサーブを2回づつ打って先に7ポイント先取したほうが勝利となる、大変1ポイント1ポイントが重要な形式になっている。

「6ー5」

あと1ポイント取れば勝ちが決まるところで俺のサーブになった。ここを決めないと水村にペースを持っていかれてしまうというプレッシャーの中心を落ち着かせてバックサイドだったから俺は花原さんと一緒に練習したリバースサーブを思いっきり打った。自分でもびっくりするくらい速いサーブが打ててびっくりしてしまった。しかし水村は落ち着いて当てて打ち返してきた。それから長い長いお互い一歩も譲らない打ち合いが続いた。

「くっ」

俺が水村のバックサイドにフォアハンドで強打したら水村はバックで打ち返そうとしたがラケットが間に合わずフレームで打って球を俺側のコートのネット前に落ちる軌道に球を打ち上げた。

「もらった~」

俺はこのチャンスを逃さないと思いながらダッシュで球に近付いて高く跳ね上がった球をジャンピングショットで思いっきり水村側のコートに打ち込んだ。水村は球がすごく速かったせいで反応することができなかった。

「おっしゃあ~」

この瞬間試合の勝利が決まった。あまりの嬉しさに大声が自然と出てしまった。これだけ長時間かかった試合で勝利できた時の嬉しさは計り知れないものだ。大声で叫んだあとお互い最後のあいさつをするためにネット前に立った。

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」

お互い礼をしながら最後の挨拶を言って握手を交わして試合が終わった。荷物をまとめて学校の荷物置きに戻って上島先生に試合結果を報告をしたらびっくりするコメントが返ってきた。

「高畑お前あの水村に勝ったのか?」

「はい、タイブレークで勝ちました」

「お前すごいなぁ」

「何でですか?」