しかしもうすでに意識がほとんど無かった俺は揺れが止まった瞬間にぐったりと完全に脱力してしまった。

「大丈夫、高畑くん、しっかりして」

明西さんはそう言って再び俺を揺らし始めた。俺は抵抗しようと思ったが力が全く入らなかったために何にも出来なかった。

「あぁあぁあぁあぁあぁ~」

「ダメだよ明西さん、また揺らしたら完全に高畑くんが気を失っちゃうよ」

そう言って上川さんが俺から明西さんを引き離した。

「起きて高畑くん」

そう言いながら俺の頬をぺちぺちとはたいてきた。俺は上川さんには叩かれている痛みでだんだん意識が戻ってきた。

「う・・・うぅ~ん」

「よかった~、無事みたい」

そう言って上川さんは俺を優しく床に横に寝かせてくれた。

「あ、みんな、これは夢じゃないよな?」

「夢なわけないだろ、大丈夫か龍?」

「うぅん、何とかな」

少し経ってようやく意識が戻ったとき俺は夢の世界に起きたのだと勘違いしてしまい光輝に馬鹿みたいなことを聞いてしまった。しかし光輝は俺のことを心配してくれながら俺の質問に答えてくれた。

俺は揺さぶられすぎてズキズキ痛む頭を押さえながら起き上がって明西さんを見た。

「明西さん、ダーリンって呼ぶのは恥ずかしいからやめてくれないかな?」

「やだ、だって私を守ってくれたじゃん」

俺が恥ずかしいからダーリンって呼ばないでと言ったら明西さんは口を尖らせながらやだと断ってきた。

「それとこれとは話が違うだろ?」

「違わないもん、私にとっては同じだもん」

「あれ、なんだか今日はやけに騒がしいわね、みんな早く席について」

俺がなんて言い返せばいいのか分からずハァッとため息をついていたら、先生が来て大きな声でみんなに席につくように言った。俺たちも先生の言うことを聞いてすぐにそれぞれの席についた。

「あ~これから俺はどうなるんだ~」

俺はこれからどうなるのかすごく先行きが不安になってしまった。