「ということだからみんな仲良くしてあげてね、じゃあ席だけど高畑くんの隣でいいかな?」

先生はそう言いながら俺の隣を指差した。

「何で高畑の隣なんだよ~」

「俺あの子の隣になりたかったのに~」

クラス中の男子からなぜか俺にブーイングのあらしがきた。俺は周りの男子のブーイングを聞いて何でいつもこうなんだと思いながらため息をついた。しかし明西さんは周りの男子のブーイングをまったく気にせず俺の隣の席に座った。

「高畑くんだっけ、席隣だから色々聞くと思うけどその時はよろしくね」

明西さんはすごくきれいな笑顔で言ってきた。

「あ、あぁ、こちらこそよろしく」

俺は少し緊張しながら言った。

「はーいみんなこれから授業を始めるから準備して」

そう言って先生も授業の準備をし始めた。俺も授業の準備をしようといたものの、隣にいる明西さんが気になって授業どころじゃなかった。

その日の帰り道、俺はいつも通りに光輝と上川さんと花原さんとの4人で帰っていた。俺がみんなの後ろを歩いていると、光輝が俺に話しかけてきた。

「なぁ龍、今日来た転校生の明西さんすごく美人だったな」

光輝がなんだか嬉しそうに俺の隣に来た。

「確かにきれいだったけどいいのか?お前には上川さんがいるだろ、また引っ叩かれるぞ」

俺はそう言いながらまさか光輝がそう言ってくるとは思わなかったから少し呆れた。

「大丈夫だよ、さやはさやでいいところあるからさ。だけど明西さんのきれいさには敵わないけどね」

光輝は笑顔でそう言った瞬間に光輝の後ろで上川さんがすごい怖い顔に変わったのが目に入ってしまい、俺は止まってしまった。

「どうした龍、なんか俺の後ろに・・・ってさや」

光輝は俺が見ていた方向に振り返ると怖い顔をした上川さんにようやく気づいたらしく硬直してしまった。

「私が明西さんよりきれいじゃなくて悪かったわね光輝」

上川さんは一歩一歩ゆっくりと光輝に近づいてきた。

「な、何を言ってるんださや、さやだって十分きれいだよ」

光輝はやばいと思ったのか、上川さんとの距離をとりながら上川さんを説得した。

「十分ね・・・じゃあ明西さんのきれいさはその十分と同じくらいなの?」