ミックスラブルス

「そう言うと思ってたよ」

光輝は俺の隣に来てもう分かっていたかのように言った。

「なんでだよ」

俺はムッとしながら光輝に聞いた。

「だってあれほど龍が伸びやかにダブルスやってるの始めてみたんだもん」

光輝も花原さんと上川さんの様子を見ながら言ってきた。

「そうか、まぁ別に否定はしないけどよ、俺はそんな風には感じなかったぞ」

俺は不思議そうな目をしながら光輝を見た。

「まぁ、やってる本人が分かるわけないか」

光輝が軽くため息をつきながらいった。

「確かにやってると分からないかもしれないけど俺は分かってるつもりだぞ」

俺はムスッとしながら光輝に言った。

「そうか、じゃああれを見てもそういえるかな」

そう言って光輝はコートの周りにいる男子の集団を指差した。俺は光輝が指差した先にいる男子の集団を見た。そしたら俺はその集団ににらみ返されてしまった上に。

「なんだよ花原さ～ん、高畑とあんなにいい試合しちゃってさ～」

「何で高畑にだけあんなにかわいい笑顔を見せるんだよ～、あぁ～俺にもその笑顔で振り向いて～」

などなどもろに俺に嫉妬心を燃やしていたことに気づいて俺は恐ろしくなってギョッとした。俺があまりの周りからの見られ方にびっくりしている光輝が俺の肩に手をのせて言った。

「これで分かったか、花原さんはあのかわいさでかつテニスができるってことで男子の注目の的になってるんだからお前も回りえの気遣いをちゃんとしないとやばいことになるぞ、肝に銘じておけ」

確かにそうだよな、俺だって花原さんのことかわいいって思ってるからちゃんと回りのことも考えて行動しないとと思った。

「まぁ、龍なら心配ないか」

光輝が俺の肩から手を離しながら言ってきた。

「何でだよ」

俺は光輝を見ながら聞いた。

「龍はいつも周りに優しいからたぶんお前ならどうにかできるさ」

光輝はそう言って上川さんたちの元に行ってしまった。

「俺が優しい・・・ただ当たり前のことをしているだけじゃねぇかよ」

俺はそう小声で言って光輝のあとを追った。

こうしてこのままのテンションで部活を終え、最後の集合がかかった。